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2020/08/24 11:36


地球のかけらを
ひとつかみ
刈りとり 紡いで 糸にして
織って 編んで 縫って
着る

じいさんばあさんから
受け継いだ
命の衣
更なる重なる
時の地層
やがて体も衣も地球に還す

地球からの借りものを
いつか元の地球に還す

借りている年月は
人には長く
地球には
ほんの一瞬

だけど
この時代

ほんの一瞬
人が着て
地球に還さず
奪い続ける

心に残らず
ごみの地層が重なるばかり

無表情な服たちは
畑で工場で薬漬け
働く人の命の輝きを
奪いながら
無表情な店に
並んですぐに叩き売り

それらのこと全てで
体を包むことは
何を意味するのか

あなたの身体は何を想うか
あなたの心に何が触れるのか

いったい誰の魂が喜ぶというのだろうか

だから
この時代

せめて

今を見つめて
心を集めて
布を寄せて

人の手で
命を吹き込み
宇宙に捧げてみよう

人と地球が
巡りの契りを
再び交わすことが
できますように









繕いを託された量販ものシャツから、繕わずにバラしてショールに仕立てた。
ミシンで縫われたところだけをギリギリで切り取り、取り出した形のまま組み合わせ、空いたところには、他に預かっていた服のリメイクで切り取った残りを当てて。糸は藍染の青い糸と、蘇芳染の薄紫の糸で、数日かけて手の進むままに。
布の成り立ちが青と白の糸を縦横に織られたものだったので、端切れをラフに縦横に組んでほぐしたフリンジがはっきりとしたコントラストを見せた。
衣服をバラしたり、布をバラする過程で見えてくる世界があり、その過程こそが高揚に満ちている。

ショールは上も下もなく、いく通りにも楽しめる。いかに愛で尽くすのか、それに尽きる。
































光に透かせば、また別世界。

シャツの持ち主へ宅配便で送った。
シンプルなシャツが別人になって帰ってきたのだから、驚いたことだろう。
使ってもらえているかはわからないけど、私にとっては機会を最大限に活かすことができたと思う。

布は大地のジオラマ。
目の前にあるものを、活かし 組み合わせながら、不自然な生産を止めて、自然な生産を増やしていく。
この時代に生まれた一人の責任として、そういう選択をしていきたい。


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